「注意障害」とはどのようなものなのでしょうか?
「注意」と聞くと、「注意する=気をつける」という意味が一般的でしょう。ここでいう「注意」とは、「注意を向ける=集中する、目を向ける」という意味合いのほうが強いかもしれません。
例えば、右側から人が歩いてきてぶつかりそうになった時、視覚に何の異常もなければその人に気付いて避けるはずです。しかし、脳に障害を受けたことでその見えてるはずの人を認識できず、気づかないまま歩いてしまい、結果としてぶつかってしまいます。ほかにも「注意散漫」という言葉があるように、同じことをずっと続けて行うことができず、キョロキョロしてしまうというのも「注意障害」の1つです。また、大勢の友人たちと話していると、みんなが話している状況の中で自分に誰かが話しかけたとしても、どの人に注意を向ければいいのかわからず、話を聞く事が出来ないなどの症状があります。
「注意障害」の方との関わり方
「注意障害」はリハビリを通して訓練することが出来ますが、何よりも大切なのは関わり方です。先ほどお話ししたように、「注意障害」といっても様々な症状がみられますので、まずは話をしたりする環境を整えることが重要です。
例えば、右側に注意を向けられないのであれば、左側から話しかけることが円滑なコミュニケーションを行う上で大切です。逆にわざと右側から話しかけてみることで、出来るだけ右側に注意を向けさせるようにすることも必要です。また、私たちも何かに集中したいときに騒がしい部屋で集中することはできません。ということは、「注意障害」の方であればなおさらです。出来るだけ静かな部屋で関わることで、注意を向けるものがわかりやすくなります。また、物が多く置いてあるところでは注意を向ける対象が増えてしましますので、なるべく物を置かない環境での関わりが望まれます。