用語集
ADL(Activities of daily living:日常生活活動)
食事や排泄、移動や整容、入浴などと言った、一人の人間が自立して生活するために、最低限必要な動作をさします。
簡単に言うと、私達が普段の生活の中で、当たり前の様に行っている行為の事です。
このADLを評価するために、Barthel Index(BI)とFIMが使用されています。
Barthel Index(BI)
“できるADL”に関する日常動作の10項目で構成され、項目ごとに自立(自分でできる)、部分介助(少し手伝ってもらえば自分でできる)、全介助(手伝ってもらわなければできない)など、2~4段階で採点されます。なお、100点満点で完全自立となります。
FIM(function independence measure:機能的自立度評価表)
“しているADL”を評価する指標です。前述したBarthel Index(BI)は、運動能力だけを評価していますが、FIMではコミュニケーションや社会的交流・問題解決・記憶を追加して評価します。
採点は7段階に分けられ、細かい評価が可能となっています。
高次脳機能障害
脳に障害を負うことで、様々な情報を処理することが障害されることの総称です。
以下のような障害をさします。
失語
一度獲得した話す・聞く・読む・書くといった事を行うことが難しくなる状態です。
うまく話せない、相手が話している内容がわからないといった症状があります。
失行
手や足に何の障害もなく、目的とする動作を理解しているにもかかわらず、言われた動作や物の使い方がわからなくなることをさします。
失認
感覚障害や知能低下がないにもかかわらず、ある感覚を通して人や物、空間を認識することが出来なくなることをさします。しかし他の感覚を通すと認識することが出来ます。
例えば、よく知っているはずの人の顔がわからなくなるが、声を聴くと誰だかわかるというものや、左右どちらかの空間がまるで見えてないかのように行動してしまうが、その方向を向けば認識できるといったものがあります。
記憶障害
記憶は、覚える→記憶を保つ→思い出すという過程で成り立っており、この過程に障害を負ってしまうことをさします。新しいことを覚えられない、すぐに忘れてしまう、以前の事を思い出せない、といった事があります。
注意障害
物事に集中できない、同時に2つの事を行うことが出来ない、大勢の中で会話ができないというような事をさします。
遂行機能紹介
自分で考えて計画を立てた行動が出来ない、いきあたりばったりな行動をしてしまう、問題を解決し次に活かすということが出来ません。
社会的行動障害
私たちは感情や行動をその場に応じてコントロールしています。しかし、このコントロールするということが出来ず、感情が抑えられず笑ったり怒ったりしてしまう、食欲などの欲求を抑えられない、子供っぽくなるなどといった状態になることをさします。
体の部位
上肢
肩の付け根から指先までをさします。
下肢
股関節から足の指先までをさします。
四肢
上肢と下肢のすべてをさします。
麻痺
脳から手足などに対して出している命令が、その経路に何らかの障害を受けることでうまく伝わらなくなることにより生じます。
単麻痺
四肢のいずれか1つに麻痺が生じる事をさします。
片麻痺
体の左右どちらか半分の上下肢に麻痺が生じる事をさします。
顔の麻痺を伴う場合があります。
対麻痺
両方の下肢に麻痺が生じる事をさします。
四肢麻痺
両方の上肢、下肢に麻痺が生じる事をさします。
廃用症候群
体の機能を使わないことにより、体や頭の働きが低下してしまう事をさします。