【学術誌掲載】医療連携を取り入れた保険外リハビリテーションの研究が掲載されました
2025年10月発行の学術誌『保健医療学雑誌』(第16巻第2号)に、脳梗塞リハビリステーション・グループのスタッフと医療機関の共同研究者による研究報告が掲載されました。
本研究は、当グループの殿﨑雄太(福岡センター長)、鈴木宏和(仙台センター長)、赤松泰典(研修センター長)、グループ代表の齋藤直路らと、医療法人田中会武蔵ヶ丘病院の研究者・医師等が共同で取り組んだものです。
掲載論文
「医療面談と機能訓練の統合による保険外リハビリテーションの実践 -慢性期脳卒中患者3症例を通して-」
研究の背景と目的
脳梗塞や脳出血などの脳卒中では、発症から時間が経過した後も、運動麻痺や歩行障害などの後遺症が残ることがあります。医療・介護保険によるリハビリテーションだけでは、十分な訓練量や本人が希望する内容を確保できない場合もあり、保険外リハビリテーションは、そのニーズを補う選択肢の一つとなっています。
当グループでは、理学療法士・作業療法士による機能訓練に加え、リハビリテーション専門医との医療面談を取り入れ、利用者の身体状況だけでなく、生活上の目標や希望にも対応するサービスを提供しています。
本研究では、こうした医療連携を取り入れた保険外リハビリテーションの実践について、慢性期脳卒中患者3名の経過を通して報告しました。
医療面談と機能訓練を組み合わせた取り組み
対象となった3名には、1回90分の個別リハビリテーションを週1回、約2か月間実施しました。機能訓練とあわせて、リハビリテーション専門医による医療面談を実施し、個々の症例に応じた相談や助言を行いました。
医療面談では、主に次のような内容について検討しました。
- 筋肉のつっぱり(痙縮)に対する治療の選択肢
- 運動習慣や服薬管理、今後のリハビリテーションの目標
- 歩行時に使用する装具の適合性や見直し
報告した症例では、歩行速度や歩行自立度などに改善が認められました。また、一部の症例では、医療面談をきっかけに適切な医療機関での治療につながり、外出頻度の増加なども報告されました。
ただし、本研究は3症例の経過報告であり、医療面談や機能訓練それぞれの効果を独立して検証したものではありません。今後、さらなる症例の蓄積や客観的な評価が必要です。
今後の取り組み
脳梗塞リハビリステーション・グループでは、身体機能の改善だけでなく、外出や仕事、趣味など、利用者が希望する生活の実現を支えることを大切にしています。
今後も医療機関との連携を深めるとともに、日々の臨床実践を研究活動につなげ、保険外リハビリテーションの質の向上と、利用者一人ひとりの社会参加を支援するサービスづくりに取り組んでまいります。
【掲載情報】
掲載誌:保健医療学雑誌 第16巻第2号(2025年)
掲載ページ:84~91ページ
著者:殿﨑雄太、鈴木宏和、赤松泰典、藤井廉、田中慎一郎、齋藤直路
発行日:2025年10月1日
掲載論文を読む(J-STAGE・全文公開)
